イメージ画像

発症原因

乾癬の発症原因は長いこと「不明」だとされてきましたが、最近の研究により「皮膚細胞の異常増殖」そして「免疫力の低下」によって発症することが分かってきました。なぜ皮膚細胞が異常増殖するのか、免疫系に異常が生じるのか、と言う問題はまだ解き明かされていませんが、この2つの要因が乾癬の発症原因であることは間違いありません。

皮膚細胞の異常増殖

皮膚細胞の異常増殖も、乾癬発症原因の1つです。皮膚は表皮と真皮で成り立っていますが、正常な状態なら表皮の新陳代謝は1ヶ月から2ヶ月程度のサ イクルを繰り返します。ところが表皮細胞の増殖システムが異常をきたすと、新陳代謝のサイクルが1週間程度に短縮されてしまいます。その結果乾癬を発症し 辛い症状が引き起こされるわけですが、乾癬発症後皮膚細胞の増殖スピードは正常な細胞のおよそ10倍もの速度で加速してしまいます。本来なら4週間前後で ターンオーバーを繰り返していた皮膚が3~4日で生まれ変わるケースも珍しくありません。 いずれにしても早すぎる成長スピードに患部の皮膚細胞が追いつけず、普段よりもより多くの酸素や栄養素が求められる為血管の拡張が起こります。患部の皮膚 細胞は正常な皮膚細胞のように充分な時間をかけて成長していませんから、本来の皮膚機能が欠如した未熟な細胞でしかありません。赤く腫れたり盛り上がって しまう症状が現れ、表面の皮がポロポロと剥がれ落ちてしまいます。

乾癬と同じように、白血病も細胞が異常増殖する病気です。細胞が減るならともかく、ハイスピードでどんどん増えていくなら逆に免疫力が高まりそうな 気もしますが、きちんと成長しきっていない未熟な細胞ばかりが過剰に増える為、白血病も乾癬も免疫力が大幅にダウンします。乾癬シュオにもかかりやすくな りますし、合併症も怖い病気ですから、一旦発症した後は細胞が正しいサイクルで成長できるよう改善策に努めながら、症状の悪化や他の病魔を寄せ付けないよ う注意しなければなりません。

免疫力の低下

乾癬研究はまだ途中段階で全てが明らかにされているわけではありませんが、免疫力の低下も乾癬発症原因と密接に関係しています。人体には自分の身体 を守る為、異物が侵入すると自動的に攻撃を開始する免疫機能が備わっています。けれど遺伝的体質や環境要因が重なり何らかの免疫異常が引き起こされると、 自分自身を攻撃し炎症を引き起こしてしまいます。免疫異常を原因とする病気は色々ありますが、乾癬の場合患部は皮膚で、肌に炎症が広がってしまいます。 免疫システム自体非常に複雑で解明されていない部分も多く、一度異常が生じると厄介な病気ですが、乾癬発症にはタンパク質の腫瘍壊死因子(TNF-α)や 細胞(リンパ球)のTh17などの生体内物質が関係していることが突き止められています。現在こういった関係因子を抑制する為の治療薬に関して、研究が進 められている状況です。

このページの先頭へ