血糖値測定器を無料で手に入れる方法

妊娠中は、血糖値のコントロールが重要だと言われています。もし血糖値に異常があった場合、糖尿病だと診断された場合には出産時のリスクも上がるので、しっかり対策していかなくてはなりません。

糖尿病のリスク

◎糖尿病による赤ちゃんのリスク
【胎児の合併症】……先天奇形、巨大児、発育遅延、胎児仮死、子宮内胎児死亡など
【新生児の合併症】……低血糖症、高ビリルビン血症、低カルシウム血症、呼吸障害、多血症、肥厚性心筋炎など

◎糖尿病による妊婦のリスク
流産、早産、妊娠高血圧症候群(いわゆる妊娠中毒症)、羊水過多症、尿路感染症など

糖尿病合併妊娠」と「妊娠糖尿病」

妊娠中の糖尿病は2種類に分けることができます。

一つは「糖尿病合併妊娠」と呼ばれるもので、もともと糖尿病だった人が妊娠したパターンです。若い人だと自分が糖尿病だということに気づかないまま妊娠していることがあり、妊婦健診で初めて自分が糖尿病だということに気づくことになります。

もう一つは「妊娠糖尿病」というもので、もともとは血糖値も正常だったのに、妊娠後に糖尿病になってしまったというパターンです。

実は、妊娠中は血糖値が上がりやすくなるのです。
わたしたちの血糖値が正常値をキープするには、インスリンというホルモンが大切です。膵臓から正常にインスリンが分泌されることによって、血糖値が正常に保たれているわけです。ところが、妊娠中になるとインスリンの分泌が抑制されるようになります。通常は、抑制されてもさらに多くのインスリンを分泌することによって血糖値をコントロールできるのですが、もともとインスリンを分泌しにくい体質の人の場合は、インスリンが不足して高血糖になってしまうことがあるのです。

糖尿病になりやすい人は特に注意

以下のような人は糖尿病になりやすい人なので、特に注意が必要になります。

  • 高齢出産(35歳以上)である
  • 肥満である
  • 妊娠後の体重増加が大きい
  • 親族に糖尿病患者がいる
  • 妊娠高血圧症候群、羊水過多症に該当する
  • 巨大児を出産した経験がある

糖尿病になりやすいと考えられる人の場合は早めに血糖値の検査をして、異常があればすぐに対処していくことが大切になります。

妊娠中の血糖値の目標

  • 空腹時血糖値:70~100dL
  • 食後1時間の血糖値:140dL未満
  • 食後2時間の血糖値:120dL未満

この数値を目標に血糖値コントロールをすることで、妊婦本人や赤ちゃんの合併症を予防することができます。

血糖値は1日の中でも大きく変化するので、一度計って基準内だったから大丈夫、ということはありません。逆に、一度計って基準を超えていたとしても、その後の対策によっては血糖値を正常に近づけることも可能です。

そのため、血糖値は定期的に測定するのが理想です。病院で検査する以外にも、今は測定器を使って自分で調べることもできます。測定する頻度としては1日に3回や7回など状況によって変わります。どれぐらいの頻度で測定するのがいいのかは、主治医に相談してみてくださいね。


血糖値をコントロールするには

血糖値をコントロールするには食事療法と運動療法が効果的です。しかし、妊娠中はいろいろと制限もあるので、自己流でむやみに食事制限や激しい運動をするのは控えてくださいね。

食事で大切なのは、必要な栄養をしっかり摂りつつカロリーだけを制限することです。とは言え通常のダイエットのときのように「1日1200kcalに!」なんて極度に抑えてしまうと赤ちゃんに必要なカロリーが不足してしまいます。どれぐらいのカロリー制限をおこなうかはそのときの体重によっても変わりますし、妊娠初期、中期、後期と妊娠の段階によっても変わるので、医師の指示を仰ぎましょう。

運動は、有酸素運動がおすすめです。有酸素運動とはウォーキングなどの軽い運動のことで、1日30分程度を目安におこなうと効果的です。ただ、切迫流産や切迫早産の場合など、運動を制限しなければならない場合もあるので、これも自己判断でおこなうのではなく、かならず主治医に相談した上で運動内容を決めてくださいね。

特に制限すべき問題がない場合は、積極的に有酸素運動をした方が血糖値のコントロールもできますし、出産に必要な筋力・スタミナをつけることもできるので、しっかり運動してくださいね。軽い運動を習慣的に続けていると気分転換にもなるので、妊娠中の有酸素運動はおすすめですよ。


妊娠前からのケアが大切

妊娠中に糖尿病を患ってしまうと自分にも赤ちゃんにもリスクがつきまといます。特に、先天異常に関しては妊娠初期の糖尿病が大きく関係しており、妊娠前から血糖値コントロールなどの対策をしておくことが大切なんです。

糖尿病は生活習慣病の一種ですから、大半は生活習慣の改善によて防ぐことが可能です。合併症のリスクを下げて安心・安全に出産に望むためにも、妊娠する前から血糖値に関心を持ち、異常があればすぐに対処しておくようにしましょう。

 

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