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乾癬の病院選び

もし身体のどこかに乾癬の症状が現れた場合、様子を見ていても悪化する一方ですから、どの病型の乾癬かを突き止める為にもできるだけ早く医療機関を受診する必要があります。

初診はまず皮膚科が最適で、発疹部分を診て貰いましょう。 ただし、乾癬は単純な皮膚疾患ではありません。頭皮や耳周りやうなじ、臀部や手足、背中や爪など外部から刺激を受けやすい部分に目立つ赤斑が出現します し、銀白色のカサブタで覆われるようになります。症状も目立ちますし病型によっては強烈な痒み、痛みを伴い関節が動かしにくくなることも。

下肢全体が患部となれば歩行も難しくなるので、症状が治まるまで車椅子で生活しなければなりません。重度の症状が全身に及ぶ汎発性嚢胞性乾癬の場合、生命を脅かされる程衰弱しますし入院し安静状態を保ちながら治療を進めることになります。

どのタイプの病型にしても症状は人目につく部位に現れやすいので、周りの視線も気になりますし本人も非常に辛い思いをします。しかも基本的に慢性化する病気で、持病のように改善と再発を繰り返しながら上手く付き合っていかなければなりません。

そして乾癬以外の完治しにくい難病にも言えることですが、こういった明確な治療法が確立されていない病気の場合、患者さん側もどのような治療に取り組むのか、方向性を決めることが大切です。

医療機関で処方されるステロイド剤は副作用が強く、長期間使うことで他の治療方法の高価も薄れてしまう恐 れがあります。それに途中から体質改善効果のある サプリメントや漢方などの民間療法に切り替えようとしても、長い間ステロイドに慣れた身体は自然療法の効き目が出にくくなります。 もちろん即効的な効き目が期待できる治療法、薬剤も必要に応じて取り入れることが重要ですが、西洋医学と東洋医学ではアプローチ方法が全く違うこともあり 同時治療が難しいケースも。

医療機関によって乾癬への考え方は異なります。漢方治療に力を入れている病院もありますし、食事療法重視で指導するクリニックもあります。乾癬は個人個人の体質や生活環境によって必要な対応策が変わりますから、医療機関とは長いお付き合いになることも考慮し、ご自身で納得できる病院を選ぶことが重要です。

できれば応急処置的に対処だけの病院ではなく、今後乾癬症状が再発しにくいよう体質改善も含め指導してくれる病院を選ぶべきです。ただしお仕事の関係などで早急に症状を鎮める必要がある方は、速効性を発揮する治療が得意な病院が必要です。

このように、どんな病院が理想的なのかは患者さん1人1人の事情によって異なります。乾癬は一旦発症した以上、長期戦を覚悟しなければなりませんから、これからこの病気とどう向き合うのか考えましょう。

その道のプロ

同じ乾癬でも病型によって症状や治療法は異なり、通院で済む病型と入院治療が必要な病型に分かれます。

全身衰弱が激しい汎発性嚢胞性乾癬の場合、入院治療が必要ですから入院設備がある医療機関と言うことが第一条件になります。

最近は乾癬に限らず患者さん側が病院を選ぶ時代になっていますよね。名医ランキングや病院ランキング関連の書籍も目立ちます。ただし乾癬の場合一般的なランキングは参考程度に留めておきましょう。

通常病院の格付けは「診療科目数の多さ」、「設備」、「スタッフ」、「待ち時間」、 「医師の説明」、「医療水準」などの情報を元に、点数が決められます。こういった総合点による評価は実際にはあまり意味がないことが大半です。

ちょっとした風邪や命に別状がないような疾患の場合、「カフェがお洒落!」、「ネット予約OK」といった条件で医療機関を選んでも問題ありませんが、乾癬 患者さんにとって最優先すべき条件は「乾癬治療のプロ」が在籍していることです。

乾癬についてはガイドラインがありますから、どのドクターでも治療は可能です。けれど今までほとんど乾癬の症例を見たことがないような医師に 治療を任せる のは不安を感じませんか? 実際、乾癬は他の皮膚疾患と紛らわしい症状も多く、誤診されてしまうケースもたまにあります。難しい病気ほどその病気の治療経験豊富な医師に診て貰うこと が重要です。それに乾癬は研究が目覚しく進歩している最中で、現在もレミケード乾癬などの新しい治療法が普及し始めています。 その病院が最新治療法に対しても積極的に情報を集めているか、最先端の治療法を取り入れているか、と言う点も重要な要素です。

今は乾癬に限らず一昔前まで 治癒が難しかった病気も、新しい薬剤や治療法によってどんどん高い治療効果が期待できるようになっています。癌より恐ろしいと言われるエイズ(天性免疫不 全症候群)すら寛解したり治癒したケースが報告されている程、今の医療進歩は著しく成長しています。 ただし、海外の学会情報などをこまめにチェックして患者さんに有意義な情報を集める病院が存在する一方、どの患者さんにも事務的にステロイドばかり処方す るような通り一遍の治療しかしない病院もあります。 もちろん最新治療も従来の治療法同様何かしらのデメリットは抱えている筈ですから、リスクをしっかり説明せずにただ新しい薬剤を試したがるようなドクター も危険です。こういった医療機関側の事情も踏まえ、どの病院がどういった方針で治療に当たっているのか、しっかり見極める必要があります。

名医の探し方

どの街にも皮膚科のある病院やクリニックはあります。乾癬症状は大抵突然出現しますから、まずは近所の医療機関に駆け込む、と言うケースも多 いでしょう。けれど乾癬は他の皮膚疾患と間違えられることも多く、経過を見守らなければ乾癬のどの病型か判断がつきかねる場合もあります。症状が全身に及 ぶ汎 発性膿疱性乾癬の場合入院治療が必要ですし、いずれにしても病院とは長いお付き合いになる可能性が強いので、乾癬の疑いがある場合病院選びも治癒の為の重 要な要素です。

病院によって治療方針も異なりますからご自身でも名医を探すべく情報を集めなければなりませんが、今はインターネットのホームページを見れば病院やドク ターの情報が結構載っているので大変便利です。規模の大きい病院だと同じ皮膚科でも先生が何人も在籍しています。できるだけ乾癬治療に明るいドクターが良 いことは言うまでもありません。プロフィール ページでも略歴などをチェックし、更に検索をかけてどういった学会に出席しているのか、と言った細かい情報まで調べるのが理想的です。 皮膚疾患をマルチに対応できるドクターもいらっしゃるかも知れませんが、有名なドクターの場合大抵専門的な分野を持っています。最新情報を教えて貰う為に も乾癬を専門的に診ているドクターこそ、乾癬患者さんにとって名医です。 乾癬患者さん同士のネットワークも大いに利用し、口コミ情報も参考にしましょう。もちろん実際に診察して貰って初めて自分にとって名医かどうか判断するこ とができます。

例えば同じレミケード乾癬治療を勧める医師に対しても、「強引に勧めてきて自分が実験台にされている気がした」と不愉快に感じる方と「漢方で じっくり取り組む予定だったけれど、最新治療の可能性を熱心に説かれてトライしてみる気持ちになった」と逆に励まされる方がいる筈です。

口コミ評価や書籍などで評判が良くても合う、合わないは相性の問題もありますし、医師選び、病院選びに対しても積極的になりましょう。相性にしても治療方 針にしても合わなければ医療機関を変えるべきです。「病院は全滅でサプリを頼りながら生活習慣を改めることにした」、「症状がひどい時だけクリニックを頼 り、後は自然療法」、「最新治療にかけています」など、乾癬への取り組み方は人それぞれです。

大切なのは自分が納得できる方法で乾癬と向き合うことではないでしょうか。乾癬は確かに完治が難しい病気ですが、日々生活環境を整え体質改善に励むことで 何年間も再発せずに普通通り暮らしている方もいらっしゃいます。名医は医療機関だけにいるとは限らない、と言うことは覚えておいて下さい。

 

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