乾癬性関節炎治療
乾癬性関節炎の関節症状はリウマチとよく似ているものの、リウマチ程症状が重くない、と一昔前まで思われてきました。けれど乾癬性関節炎の場合高度の変形を伴うムチランス型の可能性もありますし、医療機関でしっかり適切な治療に取り組む必要があります。 通常病院では最初にリウマチ治療で使われるのに似た薬で薬物療法を開始し、有効でなかった場合生物学的製剤と呼ばれる比較的新しい注射療法に切り替えます。 皮膚症状が良くなると関節炎も同時に改善されるケースも多い為、乾癬治療が優先的に行われることも。
薬物療法
関節症状が現れている場合、関節が硬化し曲げ伸ばしがきつくなる拘縮状態にならないよう、運動療法に取り組みます。患部の状態次第では非ステロイド 性抗炎症薬を内服しなければなりませんが、内服剤であまり効き目が見られなかった場合、リウマチ治療で用いられるアザルフィジンやリウマトレックスなどの 抗リウマチ薬による薬物療法をスタートします。特にリウマトレックスは皮膚症状が強く出ている患者さんに対して効きやすいようです。
生物学的製剤
乾癬性関節炎の症状にはまず薬物療法が行われますが、従来の薬物療法だけで劇的な治療効果を得ることは難しいようです。そこで最近はリウマチ治療で も期待されている生物学的製剤を用いて治療が行われるようになっています。 関節炎は、血液や関節炎の内部物質であるサイトカインによって炎症症状が引き起こされ、症状が悪化していると考えられています。生物学的製剤の中でもレミ ケードやエンブレル、ヒューミュラは、サイトカインの中でも一際悪さが目立つTNF-αの働きをダイレクトに抑制することができるそうで、TNF-αブロッカーと呼ばれています。 生物学的製剤はリウマチ治療以上に乾癬性関節炎治療で目覚しい効果をあげていますが、生物学的製剤によるリウマチ治療が乾癬の新たなるきっかけになる恐れ もあるそうで、問題も多い治療方法です。 しかも生物学的製剤を用いた治療は治療費も高額になりますし、点滴や注射による投与の難しさ、結核など深刻な感染症の発症率が上昇する副作用などのリスク も伴います。
日常生活の注意
乾癬性関節炎の症状は皮膚、そして関節に出ます。患部となる皮膚や関節は常に清潔に保ち、乾癬症状が長引く場合でも放置したりかきむしるような対処法はNGで、皮膚科に通院し適切な治療を行いましょう。 乾癬同様、生活習慣を改めたりタバコやアルコールなどの嗜好品を避ける対策、根本的な体質改善も有効です。また、関節をよく動かしたり関節に力を入れるようなスポーツはあまりオススメできません。